加齢やストレスなど原因は様々ですが、不眠症で悩む人は多いのではないでしょうか。
今日は北欧の福祉施設で採用されている不眠症改善のためのインテリアをご紹介します。
不眠でもっとも多いのが『入眠障害』です。
昼間はフル回転で脳を働かせているというのに、ベッドに入ってもなかなか寝付けずとりあえず睡眠薬を服用して休む、という状態が続いていると、本当につらいですよね。
また、年齢を重ねることによって身体的機能が低下し、眠りの質が低下する、というのも避けられない事実です。
北欧の老人ホームでは、できるだけ精神の緊張を解くインテリアを施し、睡眠にとって快適な空間作りをしています。
⑴寝室は意識して吸音素材を使う
意識するしないに関わらず、耳には絶えず音が聞こえています。
たとえ小さな時計の音でも、反響することによって、精神に緊張を強いることは心理学でも証明されて、この「音の反響」に注意する必要があるのです。
例えば、壁のクロスを凹凸のあるものにするだけでもずいぶん違います。
ベッドの足元にカーペットを敷いたり、厚手のカーテンをかけたり、テキスタイルを効果的に使うことも「音を反響させない」ことに役立ちます。
また、ベッドのヘッドボードは音が反響するような硬い素材は使わない、ということも重要。
寝室に硬い素材、特にツヤっと光るような素材はできるだけ持ち込みません。
北欧家具の塗装は、ソープ仕上げやオイル仕上げなど固い塗膜と張るようなものではないので、音を吸収する効果があります。
⑵天井はデコレーションなしに
天井に凝った装飾や、模様のあるクロスなどを貼るインテリアがありますが、寝室には使いません。
眠る前にどうしても視線が模様を追ってしまい、逆に脳を活性化させてしまうからです。
寝室の天井はプレーンに仕上げてあることが基本です。
⑶寝具はカラーと素材を厳選
白いベッドリネンはすっきりして気持ちのいいものですが、不眠に悩む方には避けた方がいいようです。
どちらかといえばサーモンピンクやミルキーイエロー、ソフトベージュなど、やわらかい印象のウォームカラーを選びます。
人間は皮膚からも『色』を感知することがわかっています。
やわらかで温かみのあるカラーは、穏やかに体温を上げて眠りに導いてくれるのだそうです。
素材は、断然『麻』が良いとのことです。
スウェーデンの北部には麻(リネン)の名産地があることから、良質な麻(リネン)が生活に取り入れられています。
麻(リネン)そのものに含まれるペクチンには抗菌性があり、眠っている間に身体からたくさん水分が出ても雑菌が繁殖しません。
医療関係者にお話を聞くと、北欧では昔から「麻(リネン)にシーツを採用すると患者の『床ずれ』が起こらない」ということが知られているのだそうです。
また、ペクチンのおかげで肌に触れてもチクチクせず、使い込むほどソフトになっていきます。
さらに麻(リネン)には天然の温度調節機能があり、夏はサラサラに、冬は暖かく、快適な睡眠環境を作ってくれるのです。
この他にも、香りや照明など様々なテクニックがあるようです。
できることなら睡眠薬に頼らず十分に眠ったという満足感を得られたら、、、と誰もが願うこと。
インテリアにほんの少し心くばりすることで、質の良い眠りが実現できたらいいですね。