今日は、『北欧流・豊かな歳の重ね方』について探ってみます。
北欧では、「年をとる」ということに、『Positive aging ポジティブ・エイジング』『Positive senior ポジテイブ・シニア』という概念があります。
これは「年齢を重ねても自分の人生をポジティブにとらえ、自分なりの幸福な人生を築いていこうという姿勢を持ち続ける」ということです。
北欧の社会においては、「すべての人は等しい価値を持つ」とされています。
そして、人間は一生を通じて成長する能力を持っている存在でもあるのです。
つまり年配の人は「ただの年老いた人間」ではなく、「豊かな経験を持った人たち」であり、「幸福を探求する先駆者」とみなされます。
これは、北欧の国々の成り立ちと深い関わりがあるかもしれませんね。
極寒の厳しい環境で生き抜き、国を築いてきた人々は、長い歴史の中で仲間を信頼し、団結することの大切さを学んできました。
家族や仲間が互いに信頼し、尊敬しあい、日々の暮らしに満足していることが、幸せのかたちなのです。
たくさんのお金や地位、高級車や広いマイホーム、、、それが実現すれば幸せ、と思っていたら、実現する「いつの日か」が来るまで幸せになれない。
そのことを北欧の人たちはよく知っているようです。
年齢を重ねることをポジティブにとらえ、問題が起これば自分なりに解決策を探そうとする。そして必要であればいつも助けがある、という無条件の信頼感。
「学びたい」と思ったら、いつでも、何歳になっても学べるシステム。
身体的な衰えによる不自由には、それをサポートしてくれるデザインの力や制度がある。
日々の最後まで「自分の人生を自分で幸せにすると決心し、行動する」のがポジティブ・シニアなのです。
『「年をとる」のは「枯れる」ことではなく「熟れる」こと』と言った人がいます。
まさしく植物が枯れる前に実をつけるのは自然の摂理。
豊かに「熟れた」果実は、人々にとって恵みそのものです。
北欧流『ポジティブ・シニア』という考え方は、年齢を重ねていく上で大いに参考になるかもしれません。
これからもあらゆる側面から、この北欧流『ポジティブ・シニア』についてアプローチしていきたいと思います。